チャットは便利なはずなのに、なぜ「結局使わない」と思われてしまうのか

記事をご覧いただきありがとうございます。データライド中の人です。
このブログでは、日々さまざまなWebサイトやチャット導線を見ている中で感じたことを、運用者目線で少しずつ発信しています。

最近、チャットビジネスをサービスとして提供している立場として、少し考えさせられる会話がありました。

相手は、そこそこITビジネスにも理解のある方です。仕事の話というより、プライベートに近い雑談の中で、

「チャットって、結局あまり使わないよね」

という話になりました。

正直に言うと、少し残念な気持ちになりました。

ここ最近、当社ではチャットボットの魅力や、まだ十分に活用しきれていない現実について、いくつか記事を書いています。
チャットは、うまく設計すればとても便利な接客導線になります。
問い合わせ前の不安を減らしたり、必要な情報に早くたどり着けたり、予約・応募・資料確認などの行動につなげたりできます。

それでも、身近なところで「結局使わない」という感覚がある
これは、チャットを提供している側として、あらためて受け止めなければいけない現実だと感じました。

この記事でわかること

チャットは便利なはずなのに、評価が分かれやすい

チャットという仕組み自体は、とても便利なものです。

ユーザーが知りたいことを選ぶ。
必要な情報に案内する。
問い合わせや予約の前に、不安を解消する。
ホームページの中で探しきれない情報へ、短い距離でたどり着けるようにする。

こうした役割を考えると、チャットはもっと多くの場面で使われてもよいはずです。

それなのに、実際には「便利だった」と感じる人もいれば、「使いにくい」「結局使わない」と感じる人もいます。

この評価の差は、なぜ生まれるのでしょうか。

私は、チャットという仕組みそのものよりも、サイトごとの体験設計の差が大きいのではないかと感じています。

チャットには“お決まりの使い方”がまだ定着していない

チャットは、いろいろなシーンで使えます。

店舗の予約案内にも使える。
サービスサイトの問い合わせ前案内にも使える。
採用サイトの応募前FAQにも使える。
資料請求やLINE登録への導線にも使える。
カスタマーサポートや社内FAQにも使える。

使える範囲が広いことは、チャットの魅力です。

ただ一方で、使える範囲が広いからこそ、ユーザー側にとっての“お決まりのパターン”が定着しにくい面もあります。

たとえば、電話なら「電話番号を押して話す」。
フォームなら「必要事項を入力して送信する」。
ECサイトなら「商品を選んでカートに入れる」。

ある程度、利用者側にも行動の型があります。

でもチャットの場合は、サイトによって体験が大きく違います

最初にメニューが出るものもあれば、自由入力だけのものもあります。
すぐに目的の情報へ進めるものもあれば、何度も選択しないとたどり着けないものもあります。
短く分かりやすく案内してくれるものもあれば、長文の回答が画面いっぱいに返ってくるものもあります。

この差が、チャットへの評価を大きく左右しているのではないかと思います。

最初の体験が悪いと、次のチャットも使われにくくなる

チャットの難しさは、ひとつのサイトでの悪い体験が、別のサイトでの利用意欲にも影響してしまうことです。

初めて使ったチャットで、

「どこを押せばいいか分からない」
「質問しても思った答えが返ってこない」
「結局フォームに誘導されただけだった」
「長文すぎて読む気になれなかった」
「会話のラリーにならなかった」

と感じてしまうと、次に別のサイトでチャットを見かけても、積極的に使おうとは思いにくくなります。

たとえ、その別のサイトのチャットが丁寧に設計されていても、過去の体験によって「どうせ使いにくいのでは」と思われてしまうかもしれません。

これは、チャットを提供している側としては、なかなか難しい課題です。

逆もあります。
最初に使ったチャットがとても便利で、「これは分かりやすい」と感じたとしても、その後に使った別のチャットが使いにくい体験ばかりだと、だんだん期待値は下がっていきます。

結果として、「チャットは便利なときもあるけど、結局あまり期待しない」という認識になってしまう。

これは、ある意味では不可抗力な部分もあります。
ひとつのサービスだけで、世の中すべてのチャット体験を変えることはできません。

ただ、それでも自分たちが提供するチャットでは、できる限り良い体験を作らなければいけないと感じています。

テキストだけの会話は、心象がマイナスに傾きやすい

チャットは、基本的にテキストでやり取りします。

そのため、会話の流れがうまく設計されていないと、ユーザーの心象がマイナスに傾きやすいところがあります。

実店舗であれば、店員さんの表情や声のトーン、ちょっとした気遣いで印象が変わります
電話であれば、話し方や間の取り方で安心感を与えることができます

しかし、チャットではそれがありません。

表示される言葉。
選択肢の順番。
案内の短さ。
次に何をすればよいかの分かりやすさ。

こうした要素だけで、ユーザーの印象が決まってしまいます。

だからこそ、チャットは単に情報を入れておけばよいものではありません

「こんにちは。ご質問をどうぞ」だけでは、ユーザーは何を聞けばよいか迷うかもしれません。
選択肢が多すぎると、どれを選べばよいか分からなくなるかもしれません。
回答が長すぎると、読む前に離脱されるかもしれません。
何度も同じような選択をさせると、面倒に感じられるかもしれません。

テキストだけだからこそ、体験設計の差がそのまま使いやすさに表れます。

大切なのは、必要な情報にたどり着く最短の近道を作ること

チャットで大切なのは、ユーザーにたくさん選ばせることではありません。

必要な情報に、できるだけ迷わずたどり着けることです。

たとえば、料金を知りたい人には、料金に関する案内をすぐに出す。
予約したい人には、予約方法や空き状況確認への導線を出す。
採用に興味がある人には、仕事内容や働き方、応募前によくある不安を案内する。
店舗を探している人には、営業時間、アクセス、駐車場、LINE、電話など、来店前に必要な情報を分かりやすく出す。

さらに理想を言えば、ユーザーが自分で探しに行く前に、必要そうな情報を先回りして提示できることが大切です。

「このページを見ている人は、次に料金を知りたいかもしれない」
「採用ページに来た人は、働き方や選考の流れが気になるかもしれない」
「Googleマップから来た人は、予約方法やアクセスを確認したいかもしれない」

そうした行動心理を想像して、チャットの入口やメニュー、案内の順番を設計する

これが、チャットを便利なものにするために必要な視点です。

チャットは“置く”だけでは評価されない

チャットが使われるかどうかは、設置したかどうかだけでは決まりません。

むしろ、設置した後の体験によって評価が決まります。

ユーザーが迷わず使えるか。
最初の選択肢が分かりやすいか。
必要な情報まで短い距離で進めるか。
回答が長すぎず、読みやすいか。
問い合わせや予約など、次の行動につながるか。
使ったあとに「便利だった」と感じてもらえるか。

この積み重ねによって、チャットへの印象は変わっていきます。

逆に、ここが設計されていないと、せっかくチャットを入れても「やっぱり使わない」「効果が分からない」と思われてしまいます。

それは、チャットという仕組みが悪いのではなく、使われるための体験が十分に設計されていない可能性があります。

WhatYa Liteでは、使われる前提のチャット設計を大切にしています

WhatYa Liteでは、チャットを単なる便利機能としてではなく、ホームページ上の“小さな接客係”として考えています。

大切なのは、ユーザーが何を知りたくてサイトに来ているのか。
どこで迷いやすいのか。
どんな案内があれば、次の行動に進みやすいのか。

そこを考えたうえで、メニューや導線を設計することです。

さらに、公開して終わりではなく、実際の使われ方を見ながら改善していくことも大切です。

最初に作ったチャットが、必ずしも完璧とは限りません。
押されると思っていたメニューが押されないこともあります。
逆に、想定していなかった情報への関心が高いこともあります。

そうした反応を見ながら、少しずつ改善していく。

この運用まで含めて、チャットを“使われる接点”に育てていくことが重要だと考えています

まとめ:チャットの印象は、体験設計で変えられる

「チャットって結局使わないよね」

そう感じている人がいることは、チャットを提供する側として、きちんと受け止める必要があります。

ただ、だからといってチャットに価値がないとは思っていません。

むしろ、チャットはうまく設計すれば、ユーザーにとってとても便利な接客導線になります。

必要な情報に早くたどり着ける。
問い合わせ前の不安が減る。
予約や応募へのハードルが下がる。
自分では見つけられなかった情報に気づける。

その体験ができれば、チャットへの印象は変わります。

チャットは、ただ置くだけでは使われません。
でも、ユーザーの行動心理に合わせて設計し、運用しながら改善していけば、ホームページ上の“小さな接客係”としてしっかり機能します。

チャットを使わない人が悪いのではありません。
使いたくなる体験を作れているかどうか。

私たちは、そこを大切にしながら、WhatYa Liteのチャット設計と運用を行っています。

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