チャットを導入すると、会社の“説明不足”が見えてくる

記事をご覧いただきありがとうございます。データライド中の人です。
このブログでは、日々さまざまなWebサイトやチャット導線を見ている中で感じたことを、運用者目線で少しずつ発信しています。

この記事でわかること
・企業とユーザーの間に生まれる「認識のズレ」の見つけ方
・チャットで得た質問をWebサイト改善に活かす具体的な考え方
・「質問されたら答える」から「質問される前に伝える」へ改善する方法

Webサイトを作るとき、企業側は「必要な情報は十分に載せている」と考えがちです。

サービス内容、料金、会社概要、導入事例、よくある質問。必要な情報を整理して掲載しているのだから、ユーザーにもきっと伝わっている。

そう考えていても、実際にチャットを導入してみると、思わぬことに気づくことがあります。

「そこが分からなかったのか」、「そんなことを疑問に思うのか」と感じるような質問が寄せられることもあります。

そして、その質問を一つひとつ見ていくと、単なる問い合わせではなく、Webサイトの「説明不足」を教えてくれていることがあります。

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企業にとっての「当たり前」は、ユーザーにとって当たり前ではない

Webサイトの情報を作るとき、どうしても企業側の視点が中心になります。「このサービスについて説明しよう」「商品の特徴を詳しく書こう」「導入メリットを伝えよう」と考えて情報を整理していきます。

もちろん、それ自体は間違いではありません。

しかし、企業側が伝えたい情報と、ユーザーが知りたい情報は必ずしも一致しません。

例えば、企業側からすると「対応エリアは当然分かるだろう」と思っていても、ユーザーからすると「自分の地域でも利用できるの?」という疑問が残っているかもしれません。

「料金について詳しく掲載している」と思っていても、「結局、自分の場合はいくらかかるの?」と感じている可能性もあります。

このような小さな疑問は、ユーザーがわざわざ問い合わせるほどではないこともあります。そのままサイトを離れてしまえば、企業側には「なぜ離脱したのか」は分かりません。

チャットを導入すると「分からない」が見えてくる

そこでチャットが一つの役割を持ちます。

ユーザーがサイトを見ていて疑問を感じたとき、すぐに質問できる場所がある。すると、これまで見えなかった「分からない」が表に出てきます。

例えば、料金に含まれているもの、申し込み後の流れ、自分が対象になるのか、どの商品を選べばいいのか、問い合わせ後に何が起こるのか、といった質問です。

一つひとつを見ると、小さな疑問に見えるかもしれません。

しかし、同じ質問が何度も出てくるのであれば、それはユーザー個人の問題ではなく、Webサイト側に改善できる余地がある可能性があります。

「FAQに追加する」だけでは終わらせない

チャットで新しい質問が見つかったら、FAQに追加する。これは一つの改善方法です。

しかし、それだけでは十分ではない場合があります。

例えば、料金についての質問が多いのであれば、「FAQに料金についての質問を追加しよう」と考えるだけでなく、「そもそも料金ページの説明が分かりにくいのでは?」と考えてみることが重要です。

同じ質問が何度も寄せられるのであれば、その答えをチャットに追加し続けるよりも、Webサイトそのものを改善したほうが、より多くのユーザーを助けられます。

チャットは、質問に答えるだけではありません。「なぜ、この質問が生まれているのか」を考えるきっかけにもなります。

チャットの質問は「改善のヒント」になる

実際にチャットを運用していると、思いがけない質問が見つかることがあります。

企業側からすると「そこは説明しなくても分かるだろう」と思っていたことが、ユーザーにとっては分からない。逆に、企業が力を入れて説明している情報には、あまり質問が来ないこともあります。

この差は非常に重要です。

なぜなら、チャットを通じて、「企業が伝えたい情報」と「ユーザーが知りたい情報」のズレが見えてくるからです。

このズレを見つけることができれば、Webサイトの改善にもつなげられます。

「説明を増やす」ことが正解とは限らない

ユーザーから質問が多いと、「もっと詳しく説明しよう」と考えたくなります。

しかし、説明を増やせば増やすほど、Webサイトが分かりやすくなるとは限りません。

文章が長くなり、情報量が増えすぎれば、今度は必要な情報を探しにくくなってしまいます。

重要なのは、情報量ではなく、必要な情報が必要な場所にあることです。

例えば「料金はいくら?」という質問が多いなら、長い説明文を追加するのではなく、料金・含まれるもの・追加費用・利用条件などを整理して、ユーザーが知りたい情報をすぐ確認できるようにする。

チャットで得られた質問を、Webサイトの構造そのものに反映していくことが大切です。

「問い合わせが多いページ」は、改善すべきページかもしれない

チャットのデータを見ると、ページごとの特徴も見えてきます。

例えば、ある商品ページだけ質問が集中しているとします。

「この商品は人気だから質問が多い」という可能性もあります。一方で、「商品の違いが分かりにくい」「料金体系が分かりにくい」「利用方法が伝わっていない」といった理由で質問が集中している可能性もあります。

だからこそ、質問数だけを見て判断するのではなく、「なぜこのページで質問が発生しているのか」を見ることが重要です。

チャットのデータとWebサイトのアクセスデータを組み合わせれば、より具体的な改善ポイントを探すこともできます。

「質問されたら答える」から「質問される前に伝える」へ

チャットを運用していると、同じような質問が繰り返されることがあります。

最初は、その質問に答えることが目的です。

しかし、何度も同じ質問が来るのであれば、「チャットで答えればいい」で終わらせるのではなく、「質問される前に分かるようにできないか?」と考えることができます。

例えば、商品ページに必要な情報を追加する、料金ページの構成を見直す、申し込みの流れを分かりやすくする、ボタンの文言を変える。

こうした改善によって、ユーザーが疑問を持つ前に解決できる可能性があります。

チャットは、問い合わせ対応を効率化するだけでなく、問い合わせそのものを減らすための改善材料にもなります。

チャットは「答えを出す場所」だけではない

チャットを導入すると、どうしても「どんな質問に答えられるか」に注目しがちです。

もちろん、ユーザーの疑問を解決することは重要です。

ただ、チャットを長く運用していくと、それ以上に価値があるのが、ユーザーが何に疑問を感じているのかが分かることです。

Webサイトのアクセス解析では、「どのページを見たか」「どこをクリックしたか」といった行動は分かります。

しかし、「なぜ分からなかったのか」「何が不安だったのか」「本当は何を知りたかったのか」までは分かりにくいものです。

チャットでは、ユーザー自身の言葉からそのヒントを得ることができます。

チャットを「Webサイト改善の入口」として考える

チャットを導入する目的は、問い合わせを増やすことだけではありません。

むしろ、ユーザーとの会話を通じて、「この説明では伝わっていない」「この情報が足りない」「このページではユーザーが迷っている」といった課題を見つけられることに大きな価値があります。

そして、見つかった課題をWebサイトに反映する。改善したサイトをまたユーザーに見てもらい、その反応をチャットで確認する。

この繰り返しによって、Webサイトは少しずつユーザーにとって分かりやすいものになっていきます。

「説明不足」は、悪いことではない

ここまで「説明不足」という言葉を使ってきましたが、すべての情報を最初から完璧に掲載することは難しいものです。

ユーザーが何に疑問を持つのかは、実際に使ってもらわなければ分からないこともあります。

だからこそ、チャットから得られる質問は、企業にとってネガティブなものではありません。

むしろ、「ここを改善すれば、もっと伝わる」というユーザーからのフィードバックです。

Webサイトを作って終わりにするのではなく、ユーザーとの会話を通じて改善していく。そのための接点として、チャットを活用することができます。

チャットは、Webサイトの「答え合わせ」になる

企業側が「これで伝わるだろう」と考えて作ったWebサイト。

そこに実際のユーザーから質問が届くと、自分たちの想定とユーザーの認識がどれくらい一致しているのかが見えてきます。

そう考えると、チャットは単なる問い合わせ窓口ではありません。

Webサイトがユーザーにきちんと伝わっているかを確認する、「答え合わせ」のような役割も持っています。

「何を説明するか」だけではなく、「何が伝わっていないのか」を見る。

チャットをそんな視点で活用すると、ユーザーとの会話はその場の問い合わせ対応だけで終わらず、Webサイトそのものをより良くするための材料になります。

チャットを導入したら、まずは質問に答える。そして、少し慣れてきたら、その質問の裏側を見る。

「なぜ、この質問が生まれたのか?」

そこに目を向けることが、チャットを活用したWebサイト改善の第一歩なのかもしれません。

【この記事の要点】
・チャットは、Webサイトの「説明不足」を見つけるきっかけになる
・ユーザーからの質問を、FAQ追加だけでなくWebサイト改善につなげることが重要
・チャットを「問い合わせ対応」ではなく「ユーザーの声を集める接点」として活用できる

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