15万件以上の相談が集まったチャットボット。その理由は「答えること」ではなく「聞くこと」にあったのかもしれない

記事をご覧いただきありがとうございます。データライド中の人です。
このブログでは、日々さまざまなWebサイトやチャット導線を見ている中で感じたことを、運用者目線で少しずつ発信しています。

これまでに15万件以上の相談が寄せられたチャットボットの運用に携わったことがあります。
この取り組みは、問い合わせ対応や商品案内を目的にしたものではありませんでした。

当時の課題は、新社会人を中心とした若い世代との新しい接点づくりです。

私たちは、まず企業やブランドを覚えてもらうことが大切だと考えました。

そこで選んだのが、記憶に残るキャラクターを活用したコミュニケーションです。

商品やサービスを案内するのではなく、仕事や人間関係の悩みを気軽に相談できる場として設計しました。

相談内容はさまざまです。

「仕事を辞めようか迷っている」

「上司との関係に悩んでいる」

「自分に自信が持てない」

「ビジネス用語がわからない」

キャリア、人間関係、働き方など、多くの悩みが寄せられました。

運用当初、私たちもここまで多くの相談が集まるとは想像していませんでした。

では、なぜ相談が集まったのでしょうか。

この記事でわかること

最初から商品やサービスを案内しなかった

一般的にチャットボットというと、問い合わせ対応や商品案内をイメージする方が多いと思います。

しかし、この取り組みでは少し違いました。

最初から何かを案内するのではなく、まずは悩みを聞くことから始めたのです。

相談内容に応じてキャラクターが応答し、ユーザーは気軽に自分の状況を話せるようになっていました。

私たちはログを見ながら、

人は説明を受けたいのではなく、まず話を聞いてほしいことがあるのかもしれない

と感じるようになりました。

ログから見えてきたユーザーの本音

15万件以上の相談を分析していくと、キャリアや収入、人間関係など、さまざまな悩みが見えてきました。

そして、その蓄積は単なる相談データでは終わりませんでした。

どんなことに悩んでいるのか。

どんな言葉を使っているのか。

何に不安を感じているのか。

そうした情報は、新しい施策や商品企画を考えるヒントにもなりました。

実際、後には特定の悩みに着目した新たなカテゴリー展開にもつながっています。

私たちが学んだこと

この事例を通じて感じたのは、チャットボットは「何を案内するか」だけで成果が決まるわけではないということです。

私たちは若い世代との接点づくりを目的に、あえて「伝える」よりも「聞く」を優先しました。

その結果、15万件以上の相談が集まり、想像以上に多くのニーズや悩みを知ることができました。

15万件という数字は、単に利用者が多かったという話ではありません。

人は、自分の話を聞いてもらえる場所があれば想像以上に言葉を残してくれる。

そんなことを教えてくれた事例だったように思います。

この記事でわかること