チャットのクリック数が1.7倍になったとき、私たちが変えたのはAIではなく「声のかけ方」だった

記事をご覧いただきありがとうございます。データライド中の人です。
このブログでは、日々さまざまなWebサイトやチャット導線を見ている中で感じたことを、運用者目線で少しずつ発信しています。

あるアパレルECサイトでチャット接客を運用していた際、
チャットのボタンクリック数が約1.7倍、リンククリック数が約2.4倍まで増加したことがありました。
AIを大きく変えたわけではありません。
新しい機能を追加したわけでもありません。
私たちが見直したのは、ユーザーへの「声のかけ方」でした。

【この記事でわかること】
・チャットのクリック数が1.7倍、リンククリック数が2.4倍に改善した理由
・AIや新機能ではなく、ページごとの「声のかけ方」を見直すことの重要性
・ユーザーの状況に合わせて、チャットの入口や案内内容を変える考え方

Contents

最初はどのページでも同じ案内をしていた

チャットボットを導入すると、

「何かお困りですか?」
「お気軽にご相談ください」

といった案内を表示することがあります。
もちろん間違いではありません。
ただ、運用データを見ていると気づくことがありました。
商品ページを見ている人と、カートページまで進んでいる人では、考えていることがまったく違うのです。

商品ページでは、

「サイズは合うだろうか」
「自分に似合うだろうか」

と悩んでいるかもしれません。

一方でカートページでは、

「送料はいくらだろう」
「他に合わせて買うものはないだろうか」

と考えていることがあります。
それなのに、すべてのページで同じ声掛けをしていました。

私たちはページごとに会話を変えた

そこで、ページごとにシナリオや案内内容を見直しました。
商品ページではサイズやコーディネートの案内。
カートページでは購入前の不安解消や関連商品の案内。
カテゴリページでは商品探しのサポート。
ユーザーが今どのページにいるのかによって、会話の入口を変えていったのです。

すると利用率は大きく改善しました。
ボタンクリック数は約1.7倍。
リンククリック数は約2.4倍。

私たちはこの結果を見て、改めて感じたことがあります。

ユーザーは「何に困っているか」を説明できるとは限らない

運用ログを見ていて興味深かったのは、ページごとに案内内容を変えたことで利用率が大きく変化したことでした。

私たちは、この結果についてひとつの仮説を持っています。

ユーザーは必ずしも自分の悩みを整理できているわけではなく、

「何かお困りですか?」

よりも、

「サイズ選びで迷っていますか?」
「おすすめの組み合わせを見てみますか?」

のように選びやすい入口の方が反応しやすかったのではないか、ということです。

私たちが学んだこと

この事例を通じて感じたのは、利用率を左右する要因は必ずしも大きな機能追加だけではないということです。

今回はAIを変更したわけでも、新しい機能を追加したわけでもありません。
私たちが行ったのは、ページごとに案内内容を見直し、ユーザーの状況に合わせて声掛けを変えることでした。

その結果、ボタンクリック数は約1.7倍、リンククリック数は約2.4倍に改善しました。

この経験から私たちは、チャットボットを見るとき、機能よりも先に「どんな声掛けをしているか」を確認するようになりました。

ユーザーが今どんな状態で、そのページを見ているのか。

まずそこを理解することが、コミュニケーション設計の出発点なのだと考えています。

【この記事の要点】
・チャットの利用率は、AIの性能や新機能だけでなく、ユーザーへの声のかけ方によって大きく変わることがあります。
・商品ページ、カートページ、カテゴリページでは、ユーザーが考えていることや不安に感じていることが異なります。
・すべてのページで「何かお困りですか?」と同じ案内を出すよりも、ページごとの状況に合わせた具体的な声掛けを用意することが大切です。
・ユーザーは、自分が何に困っているかを最初から整理できているとは限りません。
・「サイズ選びで迷っていますか?」「おすすめの組み合わせを見てみますか?」のように、選びやすい入口を用意することで、チャットへの反応が高まりやすくなります。

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